自分
よく頑張ったねって
遠き幼き自分に言ってあげるんだ
孤独って言葉さえ知らなかった
ただ寂しくて
ただ怖くて
ただ不安で
泣くことしかできなかった
伝える言葉も知らない
時間は永遠に感じられ
絶望って意味さえ知らなかった
明るい時間の中で泣いて
疲れ果て
夜になる頃には怖すぎて
泣くことさえできなかった
泣いてるよりも
その怖さを紛らわすために
唯一の家族
テレビを見つめ
自分が小さな子供であることが
とてつもなく不自然で
早く大人になりたかった
大人になったら
この寂しさから解放されるのだろうと
ぼんやりと夢見て
早く言葉を覚えたかった
身に着けた知識は
自分を助けることにはなったが
愛されることとは違った
愛ってどこにあるの
愛されるってどういう気持ちなの
闇雲に歩き回って
靴擦れで傷んだ足
雨に濡れて凍えて
雨宿りした暗闇で出会った子猫
名前まで付けたのに
助けてあげれなかった
未熟すぎた自分にまた泣いた
ごめんねって言葉は
いつも自分に言っていた
愛してあげなくてごめんね
頑張る事にも疲れ果て
すべてを放り投げた
空に
いつか見た夕焼け
いつか見た止みかけた雨の向こうの虹
どんなに色のない日々でも
あの空は綺麗だったな
だからまだ頑張れるんだって
自分を信じれた
泣いていいよ
泣いていいよ
泣かないでなんて言わないよ
だって泣きたかったんだ
だって頑張ったんだ
ボロボロになるまで
頑張ったんだよ本当に
ただ愛を探して
ずっと愛を探して
ただそれだけだった
何の変りもなく
幼き自分の心のままで
よく頑張ったね
大丈夫だよ
だって愛してる