虜
自分の魅力を
計算しつくして
瞬きもせず
真っ直ぐに
こちらを見つめる
白ドレスより白い肌に
フェイスラインにかかる黒髪
脇役にもなれない大粒のダイヤは
鎖骨の美しさを強調してる
大人しくポスターの中にだけいたらいいのに
どうして出てきたんだ
声なんて聴きたくなかった
声なんて聴きたくなかった
貴女の声は呪文か
貴女の声は呪いか
貴女の声は魔力か
眺めているだけでよかったのに
熱を帯びた視線が
絡んできて動けない
動き出した白いドレス
透き通る白い肌
甘い香りの艶やかな黒髪
大粒のダイヤは霞んで
鎖骨は更に美しさを強調してる
もう溜息しか出ない