Voice of the heart

綴ってます

白暖簾


二人で白い暖簾のラーメンを食べたのは
雪の降らない日だった


大きなチャーシュー
ピンクのうず
割り箸の匂いも優しくて
静かな店内
油まみれの古いテレビ
タイムスリップしたかのような
古懐かしい淡い灯り


スープまで全部飲み干したあなた
全部が心底嬉しくて微笑む私


帰りたいな
帰れないな


「想い出になったんだよ」
何度も言い聞かせて泣くよ


最後に白い暖簾のラーメンを食べたのは
雪の降らない日だった

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