Voice of the heart

綴ってます

赤い靴


湿った風が吹いてきた


雨の匂いがしている


青空は東へ逃げてゆく


風はもっと強くなった


自分の髪が視界を遮る




   あの日バスで往復した


   17歳 


   6月


   歩道橋の上


   ビルの向こうに見えたのは


   記憶の中の山




色を変えてゆくアスファルト


一瞬で咲く傘の花


街が彩られて


赤い靴は濡れていった

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