炎と野次馬
こんなに遠く離れているのに
炎も煙もよく見える
見え過ぎて辛くなる
自分とは関係ない
人生において何の影響もない
勢い増す炎と共に
お祭り騒ぎの野次馬も増えていく
それを見ている
見え過ぎて辛くなる
ならば見なけりゃいいのに
目が離せない私も野次馬
火の粉も灰も飛んでこないこちら側で
ただ眺めているだけなのに
どうしてこんなに辛くなるの
炎は全てを燃やし尽くして
それでもまだまだ足りないと
延焼していく
それを見ている
見ているだけで辛くなる
火の元はどこか
誰が火をつけたのか
そんな疑問には誰も答えない
答えてくれなくても
自分には何の問題もない
こんなに遠く離れていて
自分には影響も関係もないのに
その延焼の先を気にしている
ただの野次馬なのに