捨て猫
お前も捨てられたのかい
じゃあ仲間だな
でもお前は可愛いから
きっとすぐに拾われるさ
可愛がってもらいなよ
人懐こい仔猫は
あたしの足元にすり寄って
生きてるよって鳴いていた
本当はあたし
捨てられたんじゃない
あたしが彼を捨てたんだ
だけど何故か
捨てられたようでさ
理不尽な感情
整理つかないまま
彷徨っても
彷徨っても
どこにも答えはないんだ
捨てられた仔猫よりきっと
酷い顔してんだろうな
愛してほしいなんて言ったら
笑われちゃうから言わないけどさ
捨てられた仔猫が羨ましいくらい
今のあたしは
みすぼらしくて
情けなくて
なんにもなくて
彷徨っても
彷徨っても
どこにも居場所はないんだ
足元の仔猫抱き上げて
優しく優しく撫でたら
生きてるよって鳴いたんだ
だからあたしも哭くよ
生きてるよ
生きてくよ