Voice of the heart

綴ってます

贅沢時間


たまにはいいよね


たまの贅沢だから


ひとり


お洒落なカフェ


背伸びして入店


折角の贅沢時間


居心地はよろしくない


持て余す視線と指先


溜息が出そう


無理したつもりはないけれど


そそくさと退店


のんびり歩くその空に


あった


私の贅沢時間


この空がオレンジ色に染ってゆく


秋の匂いがする


この贅沢が私には似合う

別人格の言葉達


さっきまで


本当についさっきまで


言ってやろうと思っていた言葉達


怨念込めて


放ってやろうと思っていたのに


出番なく消失してしまった


それは貴方の存在の前で


一瞬にして無になった


変わりに湧いてくる言葉達


別人格みたいに


優しい愛で溢れている

弁当ひとつ


家族連れの多い休日のショッピングモール


やたら目につくカップル達


無駄にテンションの高い店員のいる店


悲しい時には来るもんじゃない


自棄になって暴れてみたくなる


みんな邪魔だ


みんな邪魔だ


こっち見んな


馬鹿野郎


荒れ狂う自我を無理やり抑え込んで


平然装うのはお手の物


買ったのは一人分の弁当


振り回し歩いて来て


やっちまったなって気付く


そんな時の夕陽


悲しい時に見るもんじゃない


泣けてくるじゃないか


馬鹿野郎

死んでも言えない


本当は好きだったのよなんて


今更言われてもな


返事にも困るよ


じゃあ今は好きじゃないの?


意地悪く言ってみる



そうね
今はね
そんなでもないかな



余裕で笑顔で答えやがる


次の言葉が素直に出てこない


俺は今もなんて


死んでも言えない


鏡さえ見たくない


ダサい俺しか映らない


悔しさは誰にでもなく


自分の核に向かってる