碧い海のドロップ
キラキラと光る魚の群れを
ぼんやりと、
ぼんやりと眺めていた
蘇る遠い記憶は
碧く深い海の底
無邪気さと正反対にいた私
甘いキャンディさえ吐き出して
涙味のドロップには飽きていた
螺旋階段のような
「どうして」
「なんで」
静かな、とても静かな
真夜中とも早朝とも言えない時間の
遠く遠く響く貨物列車の音が
妙に嬉しくて
とても晴れた風の優しい日には
波の音が子守唄
地平線の向こう
地球が丸いことは知っていた
でも、幸せって何だろう
漠然と「幸せ」に憧れて
それが憐れなことだとは知らなかった
魚は跳ねる
キラキラと跳ねる
私はその魚の群れを
ぼんやりと、
ぼんやりと眺めていた
蘇る遠い記憶
今は泣かない私がいる