何気なく入った本屋の
選ぶでもなく見た棚に
思いがけず君の名を見つけた
こんな所でまた
君を思い出す羽目になるとは
不意打ちで時が止まった
まるで君が目の前に現れたような
鼓動に自分でも驚いてしまった
また君を想い出して切ない
もう恋とは言わないけれど
木枯らしが吹き飛ばし去った私の恋は
今頃どこを舞っているのだろう
僅かな風にも震えて
僅かな風にも躍って
それはまるで少女のように
冷たいままの手で待っていた長い夜も
あなたに会えれば報われたのに
もう全てが遠い日のこと
木枯らしが吹き飛ばし去った私の恋は
今頃どこを舞っているのだろう
素直に謝れないあなた
謝っても許さない覚悟の私
平行線のまま交わらない
近付くことはなく
離れることもなく
歪んだまま続く
愛し合った者の行き着いた先
不安なまま
時間だけが過ぎて
それでも信じてた
あなただけを
盲目でいい
馬鹿にされていい
誰に何を言われても
あなたの言葉を信じた
何もかも捨てても
自分自身を変えてでも
何よりも優先していた
あなただけを
皮肉にも
あなたを失って
周りが見え始めて
やっと知った
私は恋に盲目な
馬鹿にされるべきな
馬鹿だった
それでも
あなたを恨まない
あなたがくれた言葉で
夢を見れたのだから
あなたに出逢ってしまった
それこそが
私の悲劇のはじまり
同時に
愛のはじまり