Voice of the heart

綴ってます

ペディキュア


剥がれかけたペディキュアが教えてくれてる



   このままじゃダメよ




わかってる


  わかってるの




コットンを片手に



エナメルリムーバーをぼんやり眺め





  わかってる


    わかっているのに




 あぁ・・・



このペディキュアを塗ったのはいつだったっけ




  あの夜は泣くのを我慢して




   誰に見せるわけでもないのに






たっぷり浸み込ませたコットン



 爪が


  指が


   ひんやりとする



 ツンとする匂い




剥がれかけたペディキュアふき取りながら



  
   今度は彼のために




     色を塗る

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