子宮
思い出なんて頼りなくて
記憶なんて曖昧で
そんなくだらないものに
どうして私しがみついてるんだろう
何の娯楽にも心動かなくて
明日はもっと寂しくて
優しかった声とかを
ただただ子宮が求めてる
特別なわけじゃなくて
皆が結構そんな感じで
だけど口にした途端
いとも簡単に軽蔑される
ふわりふわりと堕ちていく
ゆっくりゆっくり堕ちていく
周りの景色を堪能しながら
這い上がれない所まで堕ちていく
上下も前後もはっきりしないけど
多分上の方がほんのちょっぴり明るくて
それがとても綺麗と思えて
掬った涙も綺麗で泣けた
美化され続けていく思い出も
修正され続ける記憶も
私を引っ張り上げてはくれないのに
いつまで私しがみついてるんだろう
優しかった人の声を
ただただ子宮が憶えてる