Voice of the heart

綴ってます

夕日に紅葉


嫌いになるのはこんな夜


今まで許してきた何もかもが
許せなくなるのもこんな夜



特別な日じゃなく
いつもの日



誰かの笑い声が聞こえた日


青空に飛んでいく白い風船を見あげた日


夕日に紅葉が映えていた日



特別な日じゃなく
いつもの日



自分を嫌いになるのはこんな夜


今まで許してきた何もかもが
許せなくなるのもこんな夜

ふたりのために


ほどよく揺れて
ほどよく泣いた
それ以前のことは
憶えていない
必要もない



想い出は三日月と
小さく輝く星ひとつ
それ以後のことは
憶えていない
必要もない



もしもあなたが死んでも
もしもわたしが死んでも
互いに知らない
それでいい
必要もない



燃える地平線が綺麗なら
その時に
またすこし泣こう



あの頃のふたりのために

旋回


薄闇の空に飛び出した翼は
やけに不安定で
だけど力強く
何度も旋回して離れていった



私はそれをずっと見ていた


いなくなってもずっと見ていた


出来ればそれに代わりたくて


馬鹿げた願いを自嘲しながら


私はそれをずっと見ていた



薄闇の空にさえ飛び出せない私の翼は
憧れだけを乗せて
今日もここで
今夜もここで
ぐるぐると旋回している