Voice of the heart

綴ってます

新しい風


新しい風に吹かれたの


それは冷たくて


だけど心地良くて


うっとりとしながら目を閉じた



わかってるの夢だって


白く冷たい季節の中で


春の陽だまりのような夢をみた



今はまだ手袋越しの手繋ぎだけれど


ちゃんと伝わる


あなたから私へ


私からあなたへ


確かな温もり


だからもう怖くない



新しい風に吹かれたの


それは冷たくて


だけど優しくて


うっとりしながら目を閉じた

騙し愛


正解が欲しかったわけじゃない


愛が欲しかっただけ


それだけ


あなたもそうでしょ


あなたもわかってたはず


最初から


紛い物でもいいからと


互いに手を伸ばし合った


薄々感づいていた


最初から


愛が欲しかっただけ


騙すつもりは毛頭なかった


けれど


結果は騙し合い


綺麗なさよならなんかどこにもない


恨み恨まれ騙し合い


紛い物でも手を伸ばし合った


夜を埋め合わせ合って


白々しい朝を迎えて


昨日よりもっと自分を嫌いになって


余計に愛が欲しくなった


きっと


あなたもそうでしょ

零落


ゆっくりと回った


ゆっくりと回って落ちた


音も立てず


ゆっくりと回って落ちた


私はそれを見ていた


ゆっくりと回るところも


落ちるところも


落ちてしまってからも


しばらく見ていた


いろんな思いが通り過ぎて


それでも何もなかったかのように


確かに心には引っ掛かったけれど


落ちた瞬間に


忘れることも決まっていた

君のシナリオ


好きと言って
俯いて泣いて
背を向けて
次の瞬間
嫌いと吐き捨てる


君はいつもそうだよね


周りを辟易させて
自分勝手に振舞って
そのくせ傷ついて
息を吸うように嘘をついて
死にたいって喚く


わかってるよ


君はいつもそうだよね


毎回同じシナリオ


再放送を観ているみたいだ


そろそろ喚く頃合い


今夜も長くなりそうだ