春を知らない蕾は凍ったまま眠る
私もその隣で眠る
懐かしい遠くなった春を枕にして
凍える日も悪くはない
流れ出ようとする涙も凍らせてくれる
だから
凍える日も悪くはない
無になって凍った蕾の隣で眠る
懐かしい遠くなった春を枕にして
春を知らない蕾は凍ったまま眠る
私もその隣で眠る
懐かしい遠くなった春を枕にして
凍える日も悪くはない
流れ出ようとする涙も凍らせてくれる
だから
凍える日も悪くはない
無になって凍った蕾の隣で眠る
懐かしい遠くなった春を枕にして
冷たい雨だから
心は優しく
いつものコーヒーじゃなくて
少し甘めのミルクティー
泣くほどのことじゃないから
大丈夫
濡れた靴でも歩いていける
何を夢見ていたんだろ
何を期待してたんだろ
無駄だって
頭の隅で分かってるのに
心がまだ夢見てる
心がまだ期待してる
無駄だって
何度も言い聞かせてるのに
心の対話する時は
いつだって涙が邪魔をする
無駄だって
本当はとっくに理解してる
なのにまた
夢を見て
期待して
涙する
生きる意味をくれたのはあなた
あなたがいなくなって
無気力になってしまったけれど
それでも生きている
明日の天気が気になるの
昨日の蕾が気になるの
隣の猫に会いたくなるの
チョコレートが食べたくなるの
意味なんてなくていい
あなたがいなくなっても
私は私の人生を歩むから
あなたは何も心配しないで
もうあの頃の私じゃない
もうあの頃の私はいない
髪を切って
おしゃれをして
あなたが好きだった私を
私も好きになれるように
だからあなたは心配しないで
一つ得たら
二つ目を欲しがり
三つ目は奪いたくなる
どこまでも貪欲で
満たされることなんてない
それでも満足そうな顔はする
嘘も演技もお手の物
清純そうな顔を造り
清純には程遠い内心
誰とは言わない
誰とは言わないけれど
よく知ってる女の話
警戒したって無駄だから
興味本位で近づかない方がいい
そのうち夢中になり
骨抜きになるのも時間の問題
そういう輩を何人も見てきた
そのたび彼女は奇麗になる