Voice of the heart

綴ってます

子宮


思い出なんて頼りなくて
記憶なんて曖昧で
そんなくだらないものに
どうして私しがみついてるんだろう



何の娯楽にも心動かなくて
明日はもっと寂しくて
優しかった声とかを
ただただ子宮が求めてる



特別なわけじゃなくて
皆が結構そんな感じで
だけど口にした途端
いとも簡単に軽蔑される



ふわりふわりと堕ちていく
 ゆっくりゆっくり堕ちていく
  周りの景色を堪能しながら
   這い上がれない所まで堕ちていく



上下も前後もはっきりしないけど
多分上の方がほんのちょっぴり明るくて
それがとても綺麗と思えて
掬った涙も綺麗で泣けた



美化され続けていく思い出も
修正され続ける記憶も
私を引っ張り上げてはくれないのに
いつまで私しがみついてるんだろう



優しかった人の声を
ただただ子宮が憶えてる

横顔


月を探していた昨夜は
流れるままの涙の跡も
美しく反射していた



秋の始まりの匂い


錆びたバス停


茂ったまま枯れていく雑草


都会の片隅


既に夏は終わっていた



思い出せるのは横顔の君だけ



冷たい雨に広げた傘は
流れるままの涙の跡を
静かに隠してくれた

出来心


喉の渇きが癒せない


ずっと感じていた虚無感と一緒に




君の愛はどこへ向かうの


僕はずっとここで見ているだけだね


砂漠の花でさえ華やかなのに


満ち足りたこの世界で


干からびていくよ


干からびていく





やっと話せたことが愚痴だったこと


涙が出るほど後悔している


君に残せた記憶が決定的に最低になった


隣の芝生は青いままなのに


干からびていくよ


干からびていく





どうしてこんなに愛は悲しいの


憧れは憧れのまま触れずにいたらよかった


ほんの出来心


全てあの日から始まってしまったね





喉の渇きが癒せない


ずっと感じていた虚無感と一緒に

点滅


点滅が始まった時に思ってしまった


悟ってしまった


もうこれ以上は無理。




吹きぬける夜風が思いのほか冷たくて


諦めるのも一瞬だった




いつもと変わらぬ大通り


すれ違う人々はなぜか皆愉快に見える




私の哀しみなんてちっぽけでしかないけれど


死ぬに充分




その充分を抱えて歩いている


行く先なく歩いている




そして点滅




もうこれ以上は無理。